有酸素運動とはどういった運動なのでしょうか?
有酸素運動とはエネルギー源として「酸素と脂肪」を使い、少量から中程度の強度で、ある程度の時間を掛けて行う運動になります。
有酸素運動のメカニズムとメリットに加えて、脂肪を燃焼しダイエットするための具体的な有酸素運動の方法を説明いたします。
ダイエットを目的にしている人には参考になるのではないでしょうか。
この記事で把握できること
- 脂肪燃焼のメカニズム
- 有酸素運動による効果
- 具体的な有酸素運動の方法
もくじ
有酸素運動とは?
有酸素運動とはエネルギー源として「酸素と脂肪」を使い、少量から中程度の強度で、ある程度の時間を掛けて行うトレーニングをいいます。
有酸素運動のメリットはたくさんありますが、最もお伝えしたいことは、脂肪燃焼のために最良の運動であることです。つまりダイエット効果が抜群です。
有酸素運動は全身の筋肉と酸素を使って行うものですが、筋肉は遅筋(赤い色の筋肉)と速筋(白い色の筋肉)と呼ばれる2種類に分類されています。
遅筋とは酸素を使いながら活動する筋肉で、長時間連続運動できる特徴があります。
ジョギング、水泳、ロードバイク、エアロビはダイエット効果のある代表的な有酸素運動になりますが、長時間活動できる理由は、遅筋繊維を使った運動のためです。
一方、速筋は酸素がない状態で活動できる筋肉で、短時間に瞬発的な力を発揮できる特徴があります。
当ブログのメイン活動である筋力トレーニングや100m走などは無酸素運動になりますが、爆発的な力を発揮できるのは速筋繊維を使っているためです。
無酸素運動は、脂肪をエネルギー源にせず、数の少ない糖質(グリコーゲン)を使って運動するため、ダイエットには効果的ではありません。
1970年代にアメリカでは爆発的な有酸素運動ブームがおこり、筋力トレマニアもこぞってランニングを行うようになりました。当時ゴールドジム(アメリカ)には有酸素運動のマシンは1台もなかったそうです
有酸素運動による脂肪燃焼のメカニズム
運動はATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれるエネルギー燃料を使って行っています。
有酸素運動も無酸素運動も、筋繊維内にあるミトコンドリアがATPを使って筋肉を動かしていますが、運動と同時にATPの生産も行っています。
ATPの材料となるのが脂肪と糖(グリコーゲン)ですが、有酸素運動では体内の「酸素と脂肪」を使ってATP生産の材料としています。
酸素の取り込み量は毛細血管の数によってかわってきますが、普段から有酸素運動のトレーニングをしていると毛細血管の数が増えることがわかっており、血流量が多くなります。
血流量が多くなれば、たくさんの酸素を取り込み、多くのエネルギーを生みだしながら長時間活動が可能になります。
長時間のエネルギーを生み出す際に、多くの脂肪を燃焼する必要があるため、有酸素運動はダイエット効果の高い運動になるわけです。
脂肪細胞の中の脂肪を細胞の外に引き出すには、ストレスホルモンであるコルチゾールが必要なため、有酸素運動を行うとコルチゾールが分泌されます。コルチゾールは筋肉を分解する役割があるため、筋トレ好きの人は有酸素運動のやりすぎには注意しましょう。
有酸素運動によるさまざまな効果
有酸素運動の最大のメリットは脂肪を燃焼してダイエット効果を高めることですが、その他にも「冷え性の解消」や「血圧上昇の改善」、「疲れにくい身体作り」など、さまざまメリットがあります。
有酸素運動メリット1【冷え性の解消】
有酸素運動を行うと血流が活発になり血液量が増えて、毛細血管の発達が即されます。
血液には酸素と栄養が含まれているため、毛細血管が身体中を駆け巡るようになると、足先や手先の身体の末端まで栄養が運ばれ、冷え性の解消につながります。
有酸素運動メリット2【血圧の上昇をおさえる】
有酸素運動により毛細血管が増え血流量が高まると、血管内で一酸化窒素が増える効果があります。
一酸化窒素は血管の柔軟性を高めるため、血圧の上昇を防ぎ循環器系の健康維持につながります。
有酸素運動メリット3【疲れにくい身体作り】
有酸素運動を行うと心肺機能を強化する効果があります。
心肺機能とは酸素を取り込む肺機能と酸素を全身に送り出す心臓機能のことをいいます。
心肺機能が低下すると空気中の酸素を効率よく摂取して消費できなくなるため、疲れやすい身体になります。
運動不足や加齢とともに心肺機能が低下すると、長時間歩行や少し階段を登るだけでも、すぐに息が上がり息苦しさを感じるようになります。
有酸素運動により、心肺機能を高めて機能改善すれば疲れにくい身体になります。
有酸素運動デメリット【筋肉が分解される】
有酸素運動は、体脂肪をエネルギー源にするため、脂肪細胞の中にある脂肪を細胞外に引き出す必要があります。
この役割はストレスホルモンであるコルチゾールが行うため、有酸素運動を行うとコルチゾールが分泌されてしまいます。
1時間以上の有酸素運動はストレスホルモンであるコルチゾールを高める実験結果がでています。
ストレスホルモンであるコルチゾールは、筋肉が分解される要因となるため、筋トレマニアの間では食事でダイエット調整する人も多くいます。
筋肉量がおちるのは、かなりハードな有酸素運動をおこなった場合だと思いますが、筋肉を大切にしている人は、有酸素運動のやりすぎには注意しましょう。
有酸素運動により減少する脂肪とは?
食事により摂取したカロリーが消費カロリーよりも多い場合(摂取カロリー>消費カロリー)、余分なエネルギーは脂肪として体内に貯蔵されます。
脂肪とは皮下脂肪と内臓脂肪に分類されますが、総称して体脂肪とよんでいます。
人間は進化の過程で飢餓状態をさけるために、摂取したエネルギーを脂肪として蓄えるシステムを身につけました。
このため、取りすぎたエネルギーは体脂肪として貯蔵される仕組みになっていますが、現代社会では不要な機能ですね。残念ながらこのシステムを変更することはできません。
一般的に、男性は内臓脂肪が優先的に貯蔵され、女性は皮下脂肪の比重が高くなる傾向があります。
皮下脂肪
皮下脂肪は、皮膚と筋肉の間の皮下組織にたくわえられる脂肪のことです。
皮下脂肪は見た目で判別ができる脂肪のため、体型が崩れて世間があまり好まない体型といえるのではないでしょうか。
男性の場合はお腹周辺、胸部、頬顎、内股の順番で脂肪がつきます。
女性の場合は下腹部、太もも、お尻、ウエスト、頬アゴ、二の腕、背中とほぼ全身に脂肪がついてきますが、年齢によってもつきやすい部位が異なります。
10代は頬顎、20代では下腹部や太もも周り、30代からはウエストや二の腕、40代からはお腹周りに脂肪が付着していく傾向が強いです。
女性は将来の妊娠、出産、授乳時に備えての蓄えが目的と考えられています。
有酸素運動を行うと脂肪が燃焼されダイエット効果が高まりますが、すぐには効果を実感できません。
脂肪の燃焼には優先順位があり、内蔵脂肪の後に皮下脂肪が燃焼されるためです。このため、有酸素運動を行っても皮下脂肪がすぐに減ることはなく、ダイエット効果を実感できないものです。
有酸素運動を開始して間もない時は結果がでず、やる気をなくしがちですが、しっかりと内臓脂肪から燃焼されているので心配は無用です。
内臓脂肪
内蔵脂肪は胃や肝臓、腸などの内臓のまわりに付く脂肪のことです。
内蔵脂肪は、生活習慣病に関係が強い脂肪になります。また、内蔵付近の脂肪は目に見えないため、気づいた時には生活習慣病になっている可能性があるため、注意が必要です。いわゆる隠れ肥満と呼ばれている脂肪になります。
内奥脂肪は、ほっておくとメタボリックシンドロームに発展しかねないため、定期的に健康診断することをおすすめします。
メタボリックシンドロームとは、内奥脂肪に加えて、「脂質異常」、「高血糖」、「高血圧」を2つ以上該当した状態を言います。
ただし、有酸素運動は内臓脂肪を優先して燃焼していきますので、運動を開始すればすぐに結果に結びつきます。見た目はあまり変わらなくても、体重が減ってきますので、効果は実感しやすいと思います。
食事のコントロールも行いながら有酸素運動をすればダイエット効果は高まります。
具体的な有酸素運動の方法
有酸素運動とはエネルギー源として「酸素と脂肪」を使い、少量から中程度の強度で、ある程度の時間を掛けて行う運動になります。
冒頭で上記のとおり、「少量、中程度である程度の時間」と記述しましたが、具体的にはどの程度なのでしょうか?
運動強度を把握する【有酸素運動のファットゾーン】
まずは、運動強度を把握する必要があります。運動強度は次の表のとおりですが、脂肪燃焼ゾーンは強度が60-70%の負荷になります。この強度で有酸素運動をすればダイエット効果が高まります。
強度% | directions_run | 効果 |
90-100% | 最大 | 上級アスリートの瞬発力向上 |
80-90% | きつい | 最大運動能力向上 |
70-80% | 普通 | 有酸素運動能力の向上 |
60-70% | 軽い | 基本的持久力の向上、ファットゾーン(脂肪燃焼) |
50-60% | 非常に軽い | 運動不足の解消、体力の回復 |
年齢により平均的な心拍数は変動してきます。ご自身の脂肪燃焼ゾーンの心拍数を年齢から割り出してください。
20歳〜35歳(心拍数)
強度 | 20歳 | 25歳 | 30歳 | 35歳 |
90-100% | 180-200 | 175-195 | 171-190 | 166-185 |
80-90% | 160-180 | 156-175 | 152-171 | 148-166 |
70-80% | 140-160 | 136-156 | 133-152 | 129-148 |
60-70% | 120-140 | 117-136 | 114-133 | 111-129 |
50-60% | 100-120 | 97-117 | 95-114 | 92-111 |
40歳〜55歳(心拍数)
強度 | 40歳 | 45歳 | 50歳 | 55歳 |
90-100% | 162-180 | 157-175 | 153-170 | 148-165 |
80-90% | 144-162 | 140-157 | 136-153 | 132-148 |
70-80% | 126-144 | 122-140 | 119-136 | 115-132 |
60-70% | 108-126 | 105-122 | 102-119 | 99-115 |
50-60% | 90-108 | 87-105 | 85-102 | 82-99 |
有酸素運動時の心拍数を把握する
上記の表からご自身の脂肪燃焼ゾーンの心拍数を把握して、心拍数を確認しながら有酸素運動を行います。
適切な心拍数で有酸素運動を行うことにより、脂肪が効果的に燃焼できることは統計的に証明されています。
効率よく脂肪を燃焼したいと考えている人は、心拍数の計測は必須ではないでしょうか。
トレーニングジムで「バイク」や「ステップマシーン」など一部の機器で心拍数を確認することができますが、ランニングやロードバイクなど屋外で運動をする場合は、心拍計を使って心拍数を把握する必要があります。
私は、ガーミン社の「vivosmart」を使っています。
数ある心拍計の中から、ガーミン製を使っている理由はただ一つです。
私は、ロードバイクも趣味として乗っているのですが、ツール・ド・フランスなどロードレースの世界では、サイクルコンピューターに心拍数を表示しますが、ガーミン製が定番中の定番のためです。
私が持っているロードバイクにもガーミンのサイクルコンピューターを利用していますが、ガーミン製のサイクルコンピューターと心拍計を連動するためには「ANT+」という独自の無線通信形式で接続する必要があるため、心拍計もおのずとガーミン製を選んでいるだけです。
ロードバイクは100km超の距離を走るのは当たり前の世界のため、常に心拍を把握しておく必要があります。
以前経験したのですが、体調が良いため強度をあげて(心拍数をあげすぎて)ハイペースで数時間ロードバイクにのっていると、いきなり走れなくなる症状に陥りました。(ハンガーノックといいます)
当時はまったく、走れなくなったことに、かなり同様してしまいました。(家まで自転車を押して帰りました)
原因は心拍数のあげすぎで身体への負担に気づかなかったためです。走る場合でも同じですが、スピードをあげるとすぐに走れなくなりますが、ゆっくりなら時間はかかりますが、長時間走れるのと理屈は同じです。
原因を解消するために、すぐに心拍計を購入し常に心拍数を把握しながら走るようにして、以降は無理なく100km走破できるようになりました。
少し話がそれましたが、心拍数を把握することの重要性は伝わりましたでしょうか。
心拍計は数千円から1〜2万ほど必要ですが、他の機能として万歩計や1日の活動量や睡眠の質のチェックなど多機能な商品がとても多いです。もちろんスマホ連携もあるため、結果はスマホアプリで確認できます。
健康管理とボディメークに投資していると考えれば、安く回収できる価格帯ではないでしょうか?
品揃えが豊富で安く買うならAmazonや楽天市場が鉄板でおすすめです。
有酸素運動の内容を決める
ここまでで有酸素運動の強度と心拍数把握の準備ができましたが、一番大切な有酸素運動の内容を決める必要があります。
私の場合は、ロードバイクにはまったのですが脂肪燃焼効果のためというよりも、趣味として楽しめているため一石二鳥です。
ロードバイクは、風をきりながらビュンビュンとどこまでも遠くまで走っていけることが醍醐味で、とても楽しいスポーツです。
一番おすすめしたい有酸素運動は、ロードバイクを趣味にすることです。
ただし、女性なら日焼けが気になろうかと思いますし、自転車専用道路でないと危険も伴います。
また、ロードバイクが高額であるという点と、パンク修理など最低限のメンテナンスが必要なため、少々課題はあります。
私はランニングはほとんど実績がありませんが、昨今のブームや同僚に聞いている話では、ランニングも趣味と体脂肪燃焼を兼ね備えた、非常に面白そうなスポーツと想像します。
他にも登山や水泳など、数えればきりが無いほど、趣味と有酸素運動を兼ね備えたスポーツはたくさんあります。
ジムでも有酸素運動は可能ですが、楽しみながらできないため継続は難しい気がします。
楽しみながらダイエットもできる、スポーツを趣味にするのが最も良いと思います。
有酸素運動の時間を決める
有酸素運動の強度も決めて、心拍数も計測できて運動内容を決めた後は、運動する時間を決めるだけです。
体脂肪が燃焼する時間は20分以上と言われています。血液中の脂肪を消費した後に貯蔵された脂肪の燃焼を開始しますが、その時間が20分程度必要なためです。
ジムで有酸素運動をする場合は、30分〜40分程度で十分かと思います。ジムの場合、テレビを見ながら有酸素運動ができますが、恒常的に行う場合、どうしてもあきてしまうためです。
私の経験では30分〜40分も有酸素運動を行えば十分体脂肪は減りますが、適切な食事と両立できればダイエット効果はさらに高まります。
適切なカロリーコントロールは別記事に詳しく書いています。
何よりも、有酸素運動の効果があるスポーツを趣味にすれば、楽しいので20分などあっという間です。そもそも時間の概念がなくなりますね!趣味最強です。
有酸素運動のポイント
運動強度を把握する
運動中の心拍数を把握する
有酸素運動のスポーツを趣味にするのがおすすめ
ジムの有酸素運動は30分〜40分で十分(適切な食事は必要)
有酸素運動効果のあるスポーツを趣味すれば最強
有酸素運動で脂肪を燃焼【まとめ】
有酸素運動で脂肪を燃焼し、ダイエットする記事はいかがでしたでしょうか?
有酸素運動と食事のコントロールが上手くいけば、誰でも体脂肪は減ります。
特に有酸素運動の効果があるスポーツを趣味にできれば、楽しみならがダイエットもできて、素敵な身体が手に入るので一石二鳥です。
ダイエットはとても大変な行動と感じている人もいるかも知れませんが、そんなに敷居は高くありません。
楽しい趣味を見つけて、理想のボディを手にいれてください。
それでは、トレーニングを一生懸命がんばりましょう。
最後までありがとうございました。naviblog