スロートレーニングとはどういったトレーニング方法でしょうか?
スロートレーニングとは低重量でゆっくりとした動作で行う「高強度」なトレーニング方法で、科学的刺激により筋肥大を促進させるトレーニング方法です。
扱う重量は低重量のため怪我のリスクを軽減することができます。また、トレーニング時間も短時間でありながら、効果は高負荷トレーニングと同等の結果を得ることができるため、今後のトレーニングルーチンの参考になるのではないでしょうか。
スロートレーニングの具体的な方法をすぐに知りたい人はJUMP
この記事で把握できること
- スロートレーニングを活用する理由
- スロートレーニングのメカニズム
- 具体的なスロートレーニングの方法
もくじ
スロートレーニングとは
スロートレーニングとは低重量でゆっくりとした動作で行う「高強度」なトレーニング方法です。
高齢者や筋力回復を目的としたトレーニングとして着目されていますが、本格的にトレーニングしている人から初心者まで、幅広く効果のある方法となります。
「低重量」「ゆっくり」「誰でも」「簡単」にできるニュアンスが蔓延している印象がありますが、実は相当ハードなトレーニング方法になります。
筋肉は「高強度」トレーニングによって成長しますが、高強度=高重量ではなく、高強度=高負荷とお考え下さい
低重量ながら多くの速筋繊維を動員して、筋肉に高負荷をかけて代謝的ストレスで筋肥大を狙う方法が「スロートレーニング」の真髄になります。詳しくは後述いたします。
筋肥大を目指す場合には、瞬間的に大きな力を生み出せる速筋を鍛える必要があります。速筋の運動エネルギーは糖分で酸素を必要としませんが、スロートレーニングは無酸素で活動できる速筋を優先的に使用するトレーニング方法です。
スロートレーニングを活用する理由
スロートレーニングは軽い重量で効果的かつ怪我のリスクを軽減できますし、トレーニングの時間を大幅に短縮できるメリットがあります。
スロートレーニングは軽い重量を扱うため怪我のリスクを低減できます
過去に怪我をして重い重量が持てなくなった人や、怪我から回復中の段階で満足なトレーニングが出来きない人は、フラストレーションが溜まっているのではないでしょうか。私も過去に肩を痛めてショルダープレスが、長い間できなかったので気持ちはとてもわかります。
自宅でトレーニングしているため、軽い重量しか使えない環境の人もいるかと思います。
スロートレーニングは扱う重量が軽いため、怪我防止や軽い重量しか扱えない環境の人には、丁度良いトレーニング方法になります。
時間がない人はスロートレーニングを採用したい
時間がなくて、中々トレーニングができない人もいるかと思います。
トレーニング時間の捻出方法は、別記事にまとめています。
スロートレーニングは大幅に時間を短縮できます。
低重量のためアップに時間がかからない
インターバル時間を短縮するトレーニング
セット数が少なめでも十分な効果が発揮できる
ジムでのトレーニング時間を短縮したい場合は、かなり効果的な手段になります。
自宅などの低重量トレーニングでもしっかりと効果をだせるため、「時間節約」と「効果的なトレーニング」を両立できます。
スロートレーニングでバリエーションをつけてください
高重量をいつも扱っている人は、トレーニング前から興奮、緊張する人もいるのではないでしょうか?
確かに高重量トレーニングは筋力発達のために不可欠な要素ですが、トレーニングサイクルを組んでバリエーションをつけることも大切かとおもいます。
アスリート選手は、「トレーニングを期分け」して、サイクルを組んでトレーニング効果を発揮しています。
中級者、上級者以上の人は筋発達のためにはトレーニングサイクルをわけて、3カ月周期でトレーニング内容を見直すのが効果的です。(筋肉は3ヶ月ほどで刺激になれてしまうため)
トレーニングサイクルの一つに、スロートレーニングを組み込むこんで、バリエーションをつけて見るのはいかがでしょうか。
トレーニングを期わけする方法をピリオダイゼーションといいます。1年間や数年間などプログラムはさまざまですが、筋力アップ目的であれば、筋肥大トレーニング3ヶ月後に、筋力アップトレーニング3ヶ月を行うピリオダイゼーションプログラムが、最も効果の高い方法です。
スロートレーニングのメカニズム
スロートレーニングは内圧をかけるために、負荷を抜かない状態を維持して、意図的に筋肉中の血流を制限します。
内圧により血流が制限されると筋肉は低酸素状態になり、低酸素状態でも筋力を発揮できる「速筋繊維」が優先的に使われるようになります。
同時に、乳酸や水素イオンなどの代謝物が筋肉の中に蓄積され、成長ホルモンや男性ホルモンの分泌が活性化され筋肥大がおこります。
この状態は科学的刺激(代謝的刺激)と呼ばれ、筋肥大に効果のあるメカニズムになります。
物理的に強い負荷(高重量)を速筋にあたえて、神経系や筋肉を鍛える刺激方法を物理的刺激といいます。筋肉の伸展動作によって 筋繊維に損傷が生じ、免疫反応が起こります。その反応が刺激になってサテライト細胞と呼ばれる成長分子が分泌され筋肥大がおこります。
スロートレーニング理論のもとは加圧トレーニングのため、加圧トレーニングもメカニズムは同じです。
スロートレーニングでは負荷を抜かずに内圧によって低酸素状態をつくりましたが、加圧トレーニングはベルトでしめつけて外圧により低酸素状態を作り出すものですが、両者ともに科学的刺激により筋肥大効果を狙う仕組みです。
両者の違いはインターバルにあります。加圧トレーニングの場合は、インターバルの間も血流が制限されていますが、スロートレーニングの場合は、圧力がもとにもどります。
このため、スロートレーニングではインターバル時間も大きなポイントになります。
スロートレーニングポイント
負荷を抜かずに内圧がかかる状態にする
内圧により低酸素状態をおこし速筋繊維を優先的に使う
乳酸や成長ホルモンが活性化され科学的刺激により筋肥大する
インターバル時間が大きなポイント
スロートレーニングは高強度トレーニングです
スロートレーニングはとても高強度なトレーニング方法になります。
私は普段ベンチプレスを100kgでトレーニングしていますが、スロートレーニングを行う場合は60kgでセットしています。(最初からアップの重量のため時間が短縮できます)
低重量のため、最初の1Repや2Rep目はとても簡単ですが、3Rep目ぐらいから徐々に苦しくなってきます。
5Rep目までいくと筋肉が総動員されている感覚になり、6Rep目では筋肉が切れそうな感覚になり限界を迎えます。
セット感インターバルの間に内圧が元に戻ってしまうため、30秒程度の休息をはさみ、再び、ベンチプレス開始です。
2セット目、3セット目では3Repしか上がりません。筋肉に相当強くストレスがかかるため、しばらくの間はぐったりとしてしまいますが、超短時間で1種目が終了するため、効率性のパフォーマンスはとても高いと感じます。
私は初めてスロートレーニングをした時は、一般的な80%1RMのトレーニングがどれだけ楽なのかよくわかりました。
スロートレーニングは間違いなく高強度トレーニングです。
1RMとは100%の最大出力で1回反復できる重量のことをいいます。(1RM)=(使用重量)×{1+(回数÷40)}
本気でトレーニングするなら三種の神器は必須です。
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スロートレーニングの具体的内容
最大筋力の40%の重量から筋肥大効果があります。40%以下だと効果が望めない可能性があるため、40%〜50%弱が適切な重量になります。
また、セット間のインターバルは30秒程度が適切で、セット数は3セットで十分です。(2セット目、3セット目はほとんど上がらないです)
スロートレーニングは3〜5秒かけて重量をおろして、3〜5秒かけて重量をあげますが必ず全領域の運動は等速で行うようにしてください。
この時に負荷は絶対にぬいてはいけません。上述のとおり内圧を継続的にかけるためです。
負荷を抜かないために有効な手段は、関節をロックしないことです。
通常のベンチプレスは、胸から天井に向けてバーを上げていき肘を伸ばしきってロックします。経験があると思いますが、肘をロックすると「休憩」ができます。休息ができると感じるのは、負荷が逃げて苦しくないためです。
肘をロックせずに、ゆっくりとベンチプレスのバーを下げ始め、胸に付いた段階でゆっくりとバーをあげきりますが、肘はロックせずにバーを下げ始めます。
このように関節をロックしなければ、負荷を継続的にかけ続け内圧を高めることが可能です。
筋肥大が最大目標の場合は、必ず疲労困憊まで追い込んでください。トレーニング全般の共通事項です。
スロートレーニングポイント
最大筋力の40〜50%弱の重量
セット間インターバルは30秒程度
3〜5秒かけて等速であげおろしする
関節はロックしない
疲労困憊まで追い込む
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スロートレーニングはいかがでしたでしょうか?
トレーニングのテクニックはいくつもありますが、スロートレーニングは怪我のリスク軽減やトレーニング時間の短縮などメリットがたくさんあり、筋肉の成長にとても有効なトレーニング手法になります。
重量へのこだわりは誰もがあり、軽い重量に対して抵抗がある気持ちもよくわかりますが、筋肥大が目的であれば、プライドは一旦棚上げしても良いかもしれません。
トレーニングによる筋肉の成長は試行錯誤の繰り返しですが、テクニックの1つとして参考にしていただければ、とてもありがたいです。
それでは、トレーニングを一生懸命がんばりましょう。
最後までありがとうございました。